耐震・制震・免震の違い
建物は建築基準法に基づき、地震に耐え得るよう建物の躯体を筋交いや耐震壁などを用いて強化することで、頑丈な骨組みを作っています。これが耐震構造です。
ただし、大地震時には構造物が崩壊しないことを前提に、部分的に損傷を受けることを許容した構造で対策しなければ家具などの転倒が起こりやすくなります。
より耐震安全性を向上させるためには制震構造や免震構造を採用することをお勧めします。
制震構造は、建物内に制震装置を設置することにより建物が揺れにくくなります。地震や風揺れ、長周期地震動に効果を発揮し、安価で短工期です。
免震構造は地盤と建物の間に装置を設置することにより、建物への揺れを低減します。家具・什器等の転倒を抑えられるので、安全性は飛躍的に向上します。また交通などの振動対策も可能です。
耐震補強の考え方
建物の構造体に筋かいを用いて強度と粘り強さを持たせます。
地震の揺れに対抗し、建物の倒壊を防ぐ考え方です。
制震補強の考え方
建物の柱、梁、壁などに制震装置を組み込み、建物に伝わった地震の揺れを吸収する構造です。
付加する制御装置の働きによって、建物の揺れをさらに小さく制御する考え方です。
免震補強の考え方
基礎と建物本体の間に免震装置を組み込み、地震による揺れを建物に伝わりにくくします。
地盤と切り離すことで、建物に地震の揺れを直接伝えないようにし、被害を最小限に抑える考え方です。
耐震改修工事とは?
現地調査などの耐震診断結果をもとに住宅に最適な補強設計で作成します。その図面をもとに実際に補強のための工事を行うことです。
基礎の補強や壁の補強を始め、簡易的なシェルターを置くなど方法はさまざまです。
補強の決定は物件の所有者にありますので専門家によく相談をして決めることが大切です。
なぜ耐震改修工事が必要か?
平成7 年に発生した阪神淡路大震災では、地震による直接的な原因での死者数が約5,500 人であり、そのうち約9 割もの人が住宅、建築物の倒壊などによる圧迫死であったとされています。
住宅などの倒壊により火災が発生する危険性や救助活動などの妨げになることもあります。皆さまや家族の生命や財産を守るためにも耐震改修を行いましょう。
代表的な在来補強工法としては、筋交い補強と構造用合板補強があります。 筋交い補強や構造用合板補強の工事は、まず既存の壁をはがし、補強し、その後はがした壁を復旧する手順で行ないます。

耐震シェルターとは、経済的な理由などで大がかりな耐震改修が出来ない場合などに、家屋が倒壊しても一部屋の空間を確保し、生命を守ることが出来るようにする耐震補強方法です。













